T様とは昨年の11月に初めてお会いして、本年春から本格的に設計検討を進めてきました。
T様ご一家はご夫妻と4歳のお嬢様の3人家族で、今回、おばあさまの家の隣に新居を新築することになりました。築50年以上を経たおばあさまの家の庭は成長した木々が生い茂り森のようでした。一部の木を移植したうえで、庭を整地しここに家を建てる計画です。
ご要望は、風通しがよく、できるだけエアコンなどの機械に頼らない生活をしたい。自然素材を生かした内装、ソーラーシステムの導入などです。ソーラーシステムは当初は、空気集熱式パッシブソーラーと太陽光発電システムの両方を搭載したOMクァトロソーラーというシステムの導入を計画したのですが、もろもろの検討の末、最終的には今回は一般的な太陽光発電システムを屋根に搭載することになりました。この太陽光発電システムは三鷹市I邸で以前導入したソーラーフロンティア社のもので、屋根にビスなどの穴をあけない架台設置方式を採用しているのが特徴です。風通しについては南側の開口部から、熱い空気が上昇する原理を活かし、吹抜けを介して北側のロフトに設けたハイサイド窓へと風が抜ける仕組みになっています。また、室内の建具を引き戸にすることにより、すべての部屋を開放状態にできるようにして東西の窓からの風通しも確保しています。ただし、敷地は厚木基地の近くにあり、アメリカ海軍の航空母艦艦載機や自衛隊の対潜哨戒機などが頻繁に上空(すごく低いところ)を通過するので、アメリカの空母が横須賀に寄港している最中は戦闘機の離発着が頻繁で騒音で窓を開けられないことも多くありそうですので、エアコンによる空調も十分に可能なように設備機器の装備もしています。
2階には南側と西側に深い庇つきのバルコニーを設け、夏の日射遮蔽、冬の日差しの導入を図りました。2階の吹き抜け越しには家族のワークコーナーを設けたり、消防士であるご主人様の懸垂トレーニング用の鉄棒を設けています。またリビングダイニングから出入りできる広いテラスを設け、庭とつながった第二のリビングとして活用する計画です。
現在の工事の進捗状況は、基礎コンクリートの打節が終了し、これから上棟に向けて、木の加工図の検討を進めている段階です。
T様の快いご了解を頂き、今後、工事の進捗状況などをブログでご報告してゆきたいと思います。T様どうぞよろしくお願いいたします。















