昨年はじめにご相談を頂き、その後、設計を進めておりました杉並区F様邸が着工しました。
F邸は1階に親世帯、2階に子世帯が住まわれる、玄関のみ供用の2世帯住宅です。かつて阿佐ヶ谷文士村と呼ばれた、文豪の多く住んだ、古くからの落ち着いた雰囲気の住宅地の中にある現在のお住まいの建て替えです。これまでのお住まいも2世帯住宅で、今回の建て替えにより、世代が引き継がれて、これまで2階に住んでいたご両親が1階に移動して、ご長男夫妻が2階に新たに住まわれることになります。
比較的コンパクトな敷地に、玄関以外は完全に分離した2世帯住宅を、日当たりや風通しのよい家として計画することが今回のプロジェクトの一番のテーマです。永い間この場所にお住まいのご両親や、ここで育ったご長男は、この敷地の特性を実体験でよく知っておられ、どの位置が日当たりがよいのか、どの位置は西日が強く夏暑いのか、どの位置がよく風が抜けるのか、どこが視線が抜ける眺めのよい向きなのか、などを肌で感じて理解しておられます。あわせて今回は夏と冬に2階にわたって既存住宅に温熱データーロガーを2週間程度づつ設置させて頂き、実感を客観データーで確認することも行いました。(実感を裏付けする明瞭な測定結果が得られました)
第一種低層住居専用地域の厳しい容積率や高さ制限(第一種高度斜線)などをクリヤーしつつ、空間に広がりを感じる家にするため、建蔽率に含まれない大きな「すのこ状」のウッドデッキ張りのバルコニー(鉄骨)を1階と2階のリビング南側に設けることにしました。室内と連続した屋外空間をできるだけ広く確保することで、室内も実際以上の広がりを感じられる家になればよいとの思いからです。ウッドデッキの材料はある程度の耐久性も考慮してセランカバツー材を選択しました。外観的にも街角に面したこのバルコニーが大きな特徴になると思います。
2月2日に行われたF様邸の地鎮祭(呼び名が違うかも・・・・)は、カトリックの神父さんが執り行って下さいました。天気にも恵まれ(晴天+小春日和)普段の神主さんによる地鎮祭とは趣の異なる、新鮮ですがすがしい地鎮祭でした。
現在は鉄筋コンクリートの基礎がほぼできた状況で、一方で、木構造の加工(プレカット)のための図面の作成と確認を行っているところです。上棟は3月7日(木)の予定です。
F様のご厚意により、これから、工事の進捗状況などをブログでご報告してゆきたいと思います。F様どうぞよろしくお願いいたします。





